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国内に1000万人以上の患者がいると推定される花粉症。それも、ここ10年間での増加傾向は著しく、今後も増加し続けると予想されています。なぜ、花粉症は増えているのでしょうか?その原因については諸説あるようです。
<大量のスギ花粉が飛んでいるから>
戦後、全国で一斉にスギの木が植林され、日本の山々の大部分はスギの森林になりました。そのほとんどがここ数十年で成熟期をむかえ、大量の花粉を飛ばしています。その上、最近は外国からの安い木材が輸入されるため、国内のスギの木が伐採されず、全国には手入れの出来ていないスギが増えており、これもスギ花粉の増加の原因と考えられています。
<車の排気ガスの影響>
スギの花粉は、都会よりも山の中のほうが大量に飛んでいるはずなのに、花粉症の患者は都会のほうが多いのは何故でしょう。まだまだ、花粉症が発症するメカニズムは究明されていませんが、車の排気ガスなどの空気中の化学物質と花粉がなんらかの反応を起こし、そのことが花粉症の発症に影響しているのではないかといわれています。
<日本人の体質の変化>
食生活が戦後どんどん欧米化することによって、動物性脂肪やたんぱく質中心の食生活になり、アレルギーが発症しやすい体質となってしまいました。その上、ストレスの多い現代社会がますますアレルギーを起こしやすくしているのではと考えられています。
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毎年2月から4月にかけて大量の花粉を飛ばすスギが、花粉症の大きな原因であることはよく知られていますが、花粉症を引き起こす植物は他にもたくさんあります。
特にヒノキの花粉は、スギ花粉の飛散がおさまりかけた頃にたくさん飛び、その両方に反応してしまう人も多いことから、「スギ・ヒノキ花粉症」と呼ばれることもあります。ヒノキにも反応してしまう人は、5月の末頃までの長期間、花粉症に悩まされることになります。
スギやヒノキがおさまると、カモガヤなどのイネ科植物、ブタクサなどのキク科植物と続き、年中、花粉が飛んでいます。スギ花粉症にかかる人の中には秋のほうが症状がひどくなる人もいて、多くの場合はブタクサが原因のようです。「花粉症は春のもの」だけではありません。
<花粉症の原因となる代表的な植物>
【樹 木】 スギ、ヒノキなど
【イネ科】 カモガヤ、オオアワガエリなど
【キク科】 ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウなど
【重要ポイント】
1. スギ花粉に症状が出る人は、ヒノキ花粉にも悩まされる人が多い。
2. 花粉症の原因となる植物の分布は地域により異なる。例えば、北海道ではシラカバ花粉症が問題視されている。
3. 都会でもカモガヤやブタクサなどの雑草はたくさん生育しており、夏から秋にかけて花粉症を引き起こす。
<家庭菜園やガーデニングも原因に>
「花粉症で苦しいこの時期、手までかぶれてきた〜。」
こういう場合は、庭の花や畑の野菜が原因ということがあります。多くの場合は、接触性アレルギー(触るとアレルギー反応が出る。)ですが、花粉症の時期には、普段よりひどい症状が現れる場合があります。
<接触性アレルギーの原因となる草花>
サクラソウ・じんちょうげ・すいせん・菊・ヒアシンス・チューリップ・アロストロメリア・うるし・いちょう(銀なん)など
<化粧品選びも慎重に>
花粉症の時期には、体内のアレルギー反応が活発になっています。その時期に、新しく植物成分配合の化粧品に代えたりすると、急に肌にアレルギー症状が出ることもあります。新しい化粧品を使用するのは、花粉症の時期が終わってからにした方が賢明です。
<いったい何に対してアレルギーがあるのか?>
自分のアレルゲンはスギ?ヒノキ?ダニ?などと不安な方は、血液検査で確定診断が可能です。一度近くの耳鼻科、内科などで検査を受けましょう。検査結果は数日後に出ます。何に対してアレルギーがあるのかがわかれば、これからの生活の参考になります。
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花粉症と区別がつきにくいアレルギー性鼻炎では、ハウスダスト、つまり家の中のちりやほこりやペットの毛がアレルゲンとなっているケースが多くあります。特に一年を通して症状が出る通年性のアレルギー性鼻炎は、ハウスダストに含まれるダニが元凶となり、花粉症の時期に重なると、よりひどい症状になってしまう人もいます。
<死骸やフンが恐いダニ>
私達はダニそのものを見たことがなく、ほこりというと糸くずのようなイメージがありますが、実はアレルゲンとして体内に侵入するもののうち、最も多いのがダニといわれています。
ダニは家中に生息し、その中でも特にチリダニの死骸やフン中のたんぱく質の一部がアレルゲンになりやすいことが知られています。ハウスダストに含まれるダニはアレルギー性鼻炎だけでなく、多くのアレルギー性疾患を引き起こす最も重要なアレルゲンとなっており、特にアトピー性皮膚炎の50%以上がチリダニが原因といわれています。
<家庭でできるダニ対策>
・ 寝具の管理をきちんと行う。干すだけでなくシーツをはずして掃除機をかけるほうがよい。
・ シーツの洗濯はこまめに行う。
・ 部屋の掃除は隅々まで十分に行う。(特に居間、寝室などよく使う部屋)
・ 掃除を行いやすい家具の配置にする。
・ 天気のよい日には、窓を開けて喚起を行う。
・ エアコンのドライや除湿機を活用する。(カビもダニの餌になる)
・ 冬場には、部屋の温度を上げすぎない。
・ ぬいぐるみがダニの住処になっている場合がありますので注意が必要。
<あなたのペットは大丈夫?>
身近なペットが原因のアレルギーも考えられます。ネコ・犬・ハムスター・鳥・うさぎなどあらゆる動物がアレルゲンになる可能性があります。ペットのアレルギーの原因は、毛・皮膚の老廃物(フケのようなもの)・尿・唾液にあるといわれ、室内などの密閉された環境で動物を飼うとアレルギーになる可能性が高くなります。
ペットのアレルギーは、飼い始めてすぐではなく、数ヶ月程度アレルゲンにさらされた後に発症します。花粉の時期が終わったのにいつまでも鼻水が出るような人は、一度ペットによるアレルギーを疑ってみてください。
少しでも、ペットのアレルギーを発症しないためには、部屋とペットの清潔を心がけ、犬などはきちんとシャンプーをすることが大切です。
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